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SOUND CORNERvol.52

SOUND SELECT
SALISBURY / URIAH HEEP

SALISBURY=ソールズベリーと読みます。URIAH HEEP(ユーライア・ヒープ)にかんしては、以前『ANTHOLGY』というベスト盤を紹介したことがありましたね。さて、HEEPと言えば多くの人が三部作『LOOK AT YOURSELF(対自核)』『DEMONS AND WIZARDS(悪魔と魔法使い)』、『THE MAGICIAN'S BIRTHDAY(魔の饗宴)』を挙げるでしょうが、ここではあえてその前に発表されたこの2ndを取り上げたいと思います。もちろん完成度では先に挙げた三部作のほうが上なのは承知しているし、個人的にHEEPで一番好きなアルバムは『DEMONS AND WIZARDS』です。ではなぜ『SALISBURY』なのか?それは自分が最初にインパクトを受けたHEEPの曲が2ndの1曲目「BIRD OF PREY」だったからです。
それは高校2年生の頃にさかのぼります。ある時隣のクラスのプログレ好きのN君がふらっと現れて、「プログレやと思って買ったんやけど、コレ、どう聴いてもハードロックやねん。あんまり好みでもないし聴いて気に入ったら買ってくれへん?」と言って持ってきたのが『THE BEST OF URIAH HEEP』というLP。それまでHEEPの存在については知っていたものの聴いたことはなかった自分は、ちょうどいい機会だと思い「まずは聴いてみるから貸してくれ。気に入ったら明日金を払うわ」と言って持ち帰ったのです。で、聴いてみるとコレがカッコいい。ノリのいい「EASY LIVIN'」(3rd所収)、しっとりした「LADY IN BLACK」(2nd所収)に続いてなだれ込んできたのが攻撃的な「BIRD OF PREY」のリフだったのです。そしてデイヴィッド・バイロンの超音波シャウト…。ベスト盤だったこともあり他のもけっこうカッコいい曲ばかりだったので、自分は翌日学校にLPを持って行かず、N君との約束の500円(1500円だったかな?)という金額で買い取ったのです。
やがてベスト盤ではもの足りなくなり、1枚ずつ買いそろえることにしました。で、レコードショップに行くと1stがなくて2ndと3rdと5thが並んでいました。古い順に買おうと思ってたし、1曲目が「BIRD OF PREY」だったので、その場ではまずは2ndを購入。家に帰って聴いてみると聴き慣れた「BIRD OF PREY」の次に静かな「THE PARK」が始まりました。当時の自分の耳では英語はロクに聞き取れませんでしたが(今も大差なかったりして)、なぜかこの曲の最後の一節が聞き取れたのです。「僕の兄の夢…かつて彼がここで見た…彼がいわれのない戦争の手によって死ぬまで…(←あえてベタな直訳風)」。それまでの公園の情景描写が消え叙事が叙情に転じ、曲は静かな悲しみを湛えます。美しいメロディラインとこの展開に感動をおぼえました。
この2ndには「LADY IN BLACK」やタイトルトラックなどの名曲もあるし、特に出来の悪い曲もありません。しかし、後の3部作のレベル(特に「DEMONS~」)が高いので、その陰で今ひとつ日の目を見ていない観があります。『SALISBURY』にもっと評価を…なんて言うつもりはありませんが、コレはコレでいいアルバムです。「HEEPは3部作だけでいい」とお考えで、その他のアルバムに食指が伸びない方にも、この2ndはお薦めしておきたいと思います。

PS.『SALISBURY』のジャケットのアートワークは基本的に上のような戦車ですが、下のスケッチ調の気味のよろしくないジャケットもありました。1stのジャケットも2タイプあるし、『LOOK AT YOURSELF』も2タイプあります。1stはイラストジャケットの方が好きだし、『LOOK AT~』は暗色背景に鏡がイラストの方が暗示的で好きです。
SALISBURY / URIAH HEEP