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SOUND CORNERvol.50

SOUND SELECT
OVERKILL / MOTORHEAD

MOTORHEADのスタジオ盤で何か1枚ということになれば、この『OVERKILL』か『ACE OF SPADES』だろう。『IRON FIST』もイイのだが、前出2作ほどではないと思います。その2作の中でも完成度でいえば『ACE OF SPADES』が上ですが、あえて『OVERKILL』を挙げた理由は、これこそが自分とMOTORHEADの出会いだったからです。時は自分が高校生だった頃。某FM番組でこのアルバムがフルに流れ、そのダーティーなVoと勢い重視のR&Rに衝撃を受けた記憶があります。当時、自分の行ってた学校にもハードロックやメタルの好きな人はいましたが、たいていは日本のNOVELAやLAZY(LOUDNESS結成前でLAZYが人気だった)、洋モノでもDEEP PURPLEやLED ZEPPELIN、せいぜいUFOやWHITESNAKE、NWOBHMでもIRON MAIDENとSAXONといった感じでした。自分がSABBATHに夢中でも周囲は「そんなん暗くて重いだけやん」て感じだったし、JUDAS PRIESTすらまともに評価されてないほど(そんな中で『POINT OF ENTRY』が出た)。そんな環境下で「MOTORHEADがカッコいい」なんて言い出したもんだから、これはもう批難のマト(笑)。皆さん一様に「ウルサイだけや」と連呼し、自分のセンスをコキ下ろすことに徹する始末。MOTORHEADが好きなヤツなんて大学に入って初めて出会ったぐらい少数派だったと記憶しています。当時洋楽を扱ってた『MUSIC LIFE』誌でもマトモな扱いなんて受けてた記憶はありません。でも、いろんなことがあり、フラストレーションと暴力衝動を溜め込んでいた当時の自分にとっては、MOTORHEADの音楽は最高のウサ晴らしのひとつでした。
さてこの『OVERKILL』。最も有名なのはエンディングが3回あるタイトルトラック。そしてこれまたライヴの定番「STAY CLEAN」に「METROPOLIS」、寒々しさと孤独感が身にしみる「CAPRICORN」などが有名です。個人的な嗜好でいうならラストの「LIMB FROM LIMB」もハマリ曲。全体的にシンプル&ソリッドで名作『ACE OF SPADES』に向かう途中の、男臭く粗野で武骨な勢いが感じられるアルバムです。
OVERKILL / MOTORHEAD