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SOUND CORNERvol.44

SOUND SELECT
IN TRANCE / SCORPIONS

SCORPIONSが解散をアナウンスし、ラストアルバムを作ったことは周知の事実。自分と同世代の人は『BLACKOUT』『LOVE AT THE FIRST STING 』あたりをベストとするだろうし、それは素晴らしいアルバムだと思うのだが、個人的にはウリ・ジョン・ロートの時代が好き。ウリ時代ではセンセーショナルなジャケットで知られる『VIRGIN KILLER』や『TAKEN BY FORCE』の人気が高いようだが、自分はあえて『IN TRANCE』を紹介しようと思います。よーく見て想像力を働かせると、かなりエロい(LPでないとわかりづらいかな。もちろんLPでも所持)ダークなモノトーンのジャケットも大好き(SCORPIONS史上最も好きだ)だし、その芸術性も高く評価していますが、そのダークなモノトーンに象徴されるかのように、SCORPIONS史上最も「陰影」の濃厚なアルバムでもあります。ハードな曲であっても陰影と湿度が滲みだし、普通のバンドがやればアッパーなはずの「ROBOT MAN」からも、奇妙な「哀」がしみ出しています。「LIVING AND DYING」のような曲では、それがピークに達していて、息苦しくなるほどです。その中で曲の表情を作り大活躍しているのが、ウリ・ジョン・ロートのギターワークとクラウス・マイネの絶唱Vo。曲がどんよりしすぎないようにエッジを立たせているのがルドルフ・シェンカーのリフワーク。邦題はたしか『復讐の蠍団』でしたが、自分としては音楽性からは『絶望の蠍団』、ジャケットやアルバムタイトルからは『恍惚の蠍団』とつけたいです。
OUTRAGE / OUTRAGE