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SOUND CORNERvol.07

SOUND SELECT
SECRET TREATIES / BLUE OYSTER CULT

 BLUE OYSTER CULT(以下BOC)のアルバムをこれまで1枚も紹介したことがなかったのは、自分でも意外だ。というのも、BOCは高校生の頃以来ずっと聴き続けているし、BLACK SABBATH同様、リスナーとしての自分が一度も離れたことがないバンドだからだ。


  BOCとの出会いは高校生の頃読んだ『MUSIC LIFE』誌である。当時『MUSIC LIFE』には、月代わりでアーティストの全アルバムを紹介するコーナーがあって、そこに「元祖ヘヴィメタル」としてBOCが紹介されていたのである。当時、すでにニューウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタルの洗礼を受けメタル化していた自分としては、「元祖」というモノが気にかかった。
「元祖ヘヴィメタル」としてはBLUE CHEERなども挙げられることがあったが、BLUE OYSTER CULT、直訳すると青牡蠣崇拝という奇妙な名称と、ニューヨークの冷めた狂気という表現が、ヘヴィメタルのアンダーグラウンド性を濃厚に醸していたので、これは聴いてみなければなるまいという気になり、まずは2枚組(アナログでは2枚だがCDでは1枚)のライヴ『ON YOUR FEET OR ON YOUR KNEES』を購入したのである。

  実はこのアルバムが、様々なモノへの潜行の契機となった。
思い描いていたヘヴィメタルとは全く異なったが、そこに展開される音世界に完全にどっぷり浸かった。今も当時もまずいないはずだ。BOCにハマっている高校生なんて(笑)。このアルバムでYARD BIRDSを知った。このアルバムでパティ・スミスを知った。映画『EASY RIDER』で有名なSTEPPEN WOLFの「BORN TO BE WILD」のワイルドな解釈を知った。ジャケット内に歌詞カードとともに同封されていた「ミュージック・ライフ選定ロック・ベスト100」というアルバム紹介でジャニス・ジョプリンを知った。FLEETWOOD MACを知った。MOUNTAINも知った。KANSASも知った。
JOHNNY WINTERやTED NUGENT、BRUCE SPRINGSTEENも知った。それぞれの厳密なジャンルとしての共通性は濃厚とはいえないが、メタルヘッドの高校生にロックとして大きく括ることのできる音楽に対し、広く耳を向ける契機を作ったのは、このアルバムだったのだ。

 さて、ここで紹介する『SECRET TREATIES』は初期BOCの秀作である。1stも2ndの「TYRANNY AND MUTATION」も大好きなのだが、あえて『SECRET TREATIES』を紹介する理由は「ASTRONOMY」が入っているからである。
しかも「FLAMING TELEPATH」からスムースにつながって始まるからである。特に「ASTRONOMY」を聴く時は、歌詞を頭に入れ情景を浮かべ、部屋を暗くして、他の物音を完全にシャットアウトするのが望ましい。 BOCが唯一無二の存在であることがわかるはずだ。METALLICAが後にカバーし、それはそれで悪くはない出来だが、楽曲の濃度は本家のほうが数百倍上である。

  3rdアルバム『SECRET TREATIES』の後、BOCはライヴ『ON YOUR FEET OR ON YOUR KNEES』を発表している。そしてややソフィスティケイトされた方向へと向かうのである。そして、これまた名盤『AGENTS OF FORTUNE』が生まれ、ロック史上に残る名曲中の名曲「(Don't Fear)THE REAPER」が収録されるのである。これも「超」をつけたいほどのお薦め盤だ。そして「GODZILLA」収録の『SPECTRES』を発表し、またライヴ『SOME ENCHANTED EVENING』を出す。次の『MIRRORS』はAORと化したといわれるが、個人的には好きだ。そしてNWOBHMの影響下で再びヘヴィ化し…。以下、長くなるから省略。

BOCの???
・「ASTRONOMY」の歌詞にもSUZYが出てくる。「BEFORE THE KISS」や「DOMINANCE AND SUBMISSION」にも出てくる。SUZYって誰?サンディ・パールマン絡み?それぞれのSUZYは同一?もしくは別人?
・『SECRET TREATIES』のジャケットに描かれているME262内の骸骨はヒトラーである、という説も。メンバー以外の翼の下に描かれている人たちにも注目。侍らしき人物もいるし、メキシカンと思われる人物も。CDじゃ小さすぎてわからないか。ジャケットと中のカードでは背景がズレてたり、いろいろ発見があって興味深いのだ。
・裏ジャケにあるように、4頭のジャーマン・シェパードを殺して、骸骨を持ち去ったのは誰?
・ウチのCDのジャケットではバンド名が黄緑になっている。アナログでは海老茶色なのに。イラストのコントラストも高くて、原画の雰囲気がやや壊れてる感じ。もし、日本で紙ジャケで発売、なんて時には、そのあたりにも気を遣ってほしいものだ。

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