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SOUND CORNERvol.01

SOUND SELECT
BOSTON 幻想飛行 / BOSTON

 1976年、俺がまだロックなんてほとんど知らなかった時代のアルバム。トム・ショルツなるマサチューセッツ工科大学卒で、ポラロイド社の研究スタッフであったインテリジェント・マルチ・ミュージシャンが、ヴォーカル以外はほぼワンマン作業で仕上げた奇跡の名盤。音学性は今日の「産業ロック」の布石ともいえる。大衆性を踏まえた上で展開される緻密でプログレッシヴな音楽は、JOURNEYやSTYX、ASIAにも引き継がれていった(と、思う)。なんて、後追いなのにエラそう言ってしまうが…。

  まずは1曲目の「MORE THAN A FEELING」。これこそBOSTONを代表する曲であり、30年後の現在でも、なんら古さは感じられない。スペイシーで緻密で、独特のリフがあり親しみやすいメロディがある。続く「PIECE OF MIND」の哀愁のメロディとスリル、「FOREPLAY」の美しさ、「SMOKIN'」のブギーっぽいフィーリング、「LET ME TAKE YOU TO HOME TONIGHT」の躍動感など、アルバムを通じても捨て曲など皆無だし、ホントにウソのような完成度である。要所にQUEEN的な要素も聴き取ることができ、それもまた一興である。このCDはアルバム発売の30年後、トム・ショルツ自身によって念入りにリマスタリングされたものである。30年経ってもいっさい輝きを失わない音楽なんて、そうザラにあったもんじゃない。

PS、今はなきNILVANAの大ヒットナンバー「SMELLS LIKE TEEN SPIRIT」を聴いた時だった。なにがどうなのかわからないが、奇妙な懐かしさを感じた。その懐かしさの理由が、今頃になって判明した。「SMELLS〜」のあのリフは、「MORE THAN A FEELING」のリフに似ているのである。スタイルはまったく違うが、そこにはBOSTONへの、「MORE THAN A FEELING」へのオマージュがあるのかもしれない。

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