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PHOTO CORNERvol.07

WHIPLASH STYLE
まずは山岳渓流解禁

 解禁直後の3/3(土)、山岳渓流に行ってきました。一般的に解禁というと、放流直後の魚をたくさん釣るというイメージがありますが、今回行ったのはそういう場所ではなく、もっと上の細くて険しい谷です。解禁前のアマゴ放流もされてないような場所(もちろんイワナも放流なし)です。狙いも2:8でアマゴよりイワナ中心。
だから上に上に…と。そこにいるのは、側面上部に銀系のギラつきが少しあり、パーマークと朱点がくっきり浮かんだアマゴや、背が黒く腹がオレンジで顔がやや長く口の裂けたイワナなど、いずれも沢で冬を越した魚たち。 前の夜から林道入口の車止め前で仮眠。昨年の初夏はやたらとシカが多く、急斜面を走る音で何度も目が覚めたのだが、今回は静かなものであった。
夜が明けるとエサ師が2組現れた。聞くところによると、2km地点から谷に降りて釣り上がるつもりだという。それなら、彼らが入らない6km以上の地点まで林道を行き、そこから谷に降り、行き止まりの滝まで上ろう、ということになった。

  朝早くは追いも食いもよくなかったが、谷に太陽が差し込んでくると状況は変わった。アマゴもイワナも活性が上がってきたのだ。それどころか気温も上昇し、早朝の冷え込みを想定した服装では耐えられなくなってきた。 谷が深いので風が通らず、直射日光を受けると暖かいのである。途中で服を脱ぎ、さらに上を目指す。何km釣り上っただろうか、正午を過ぎた頃、その行き止まりの滝が見えてきた。同行者は崖を登って迂回し、その先に行きたいという。
そして、当然のごとく崖登り。しかし、同行者の選んだルートは滑りやすく手掛かりのない場所にさしかかり、それ以上進むのは困難になった。そこで、俺は地形や木の生え方を見て、もう少し上にルート変更。急で滑りやすい地質だが、地中には木の根が張っているのでこれなら大丈夫だろう。
しかも、シカの通った形跡もある。これはシカたちの滝越えの獣道だったのだ。これで首尾よく滝越えに成功。そこからは沢も見え、よさそうなポイントも発見でき、そこに降りるルートの目星もついた。同行者によると、さらに行くと別の細い林道に出て、出発点に帰ることも可能なはずだという。
ここで、ふとひとつ気がかりがあった。別の細い林道が、我々が上ってきた林道にどこで合流するのか、ということである。その地点が服を脱いで置いてきた地点と大きく離れてなければいいのだが。
それを尋ねた瞬間、同行者の顔色が変わった。「しまった!服のこと、完全に忘れてましたわ!」というわけで、苦労して登ったシカ道を下り、もろい岩肌の崖を降りて、元の沢に戻る。そして、沢を下って出発点へと帰ることに。でも、滝越えルートが発見できたから、まあいいか。

  それほどのサイズは出なかったが、いい面構えのイワナたちと、パーマークと朱点がくっきり出た、きれいなアマゴたちが遊んでくれた。数としてはひとり20本ぐらいは釣れたはず。


放流直後の甘い顔のアマゴではない。小さいが精悍さが現れ、自然の沢で生きる魚の顔になっている
こういう黒いイワナが好きなのだ。この写真には写ってないが、腹はオレンジに、ヒレの一部は赤に染まっている
さすがに流れや風景は寒々しい。ところどころに残雪もあり