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PHOTO CORNERvol.05

WHIPLASH STYLE
地図上で遊ぶ

 正直な話、11月の中旬以降、バスも川の小物もひっくるめて、まったく釣りに行っていない。例年なら、ちょっとメバル釣りぐらいには行くのだが、それもさっぱりである。釣行すれば仕事に支障をきたしそうなので、ホントに全然釣りに行ってないのである。次に行けるとすれば、おそらく2月の下旬以降だろう。
  釣りに行けずに悶々としはじめたら、地図を眺めることにしている。国土地理院の1/25,000の地形図だ。これは野池のバス愛好者にとっては、ロッドやリールやルアーと並ぶタックルのひとつであった。最近はこの地形図でいろいろ調べる旧式人間は減ったようだが、山岳渓流に入る際にはやはりいろいろ役に立つ。この季節、俺が主に眺めるのは、そういった山岳渓流の地図である。綿密に記された等高線や、おおまかに記載されている植生の記号などから、渓相を想像するのである。そこにある地名から土地の背景に思いを巡らせるのである。
  ある時、奈良の吉野水系を眺めていたら、伯母ケ峰という名称に目がとまった。これはあの猪笹王の?ということは12月20日は厄日か。鬼神と丹誠上人との取り決めで跳梁を許された日である。池原ダムへ急ぐ人たちには、このあたりの道は道でしかないし、どうでもいい地名でしかないのだろうが、俺なんかにとっては渓流の魚も含め、いろいろ興味深いエリアなのである。
  一般的には、カーナビの普及で地図はどんどん用なしになりつつあるようだが、地図、特に地形図でないと味わえないモノもたくさんあるのだ。

文中の吉野水系と写真の地図は関係ありません。また、ライギョまんには何の用もないエリアのものです。目を皿のようにして見ても、地名を読み取って本屋で購入しても、まったくライギョ情報はありません。あしからず。

なお「猪笹王」の話は、水木しげる大先生の『水木しげるの妖怪図鑑(上)』(講談社X文庫)などに出ています。そこでは「一本足」という名称で紹介されています。興味のある人はどうぞ。

1/14、伯母ケ峰のあたりを通ると、このあたりだけ雪が残っていた。「猪笹王」はいませんでしたが、深夜にシカが徘徊していました。