• 月刊Whiplash
  • PHOTO CORNER
  • SOUND CORNER

PHOTO CORNERvol.02

WHIPLASH STYLE
佐賀クリーク地帯・釣行

 9月も中旬を過ぎたある日、ひとりで佐賀を訪れた。主な用は、昨年の9月に亡くなった知人の墓参りだったのだが、今回はタックル一式を持って行ってきた。佐賀のクリークで釣りをするのは何年ぶりだろうか…。昨年は数度訪れたが、いずれも見舞いや葬儀で、釣りどころではなかったのだ。
  墓参りは到着日の夕方に済ませ、翌日は朝から現地の知人とクリークに直行。10時前から釣りを開始。そのエリアは前日より少し水位が上がっていた。水色は十分クリア。沈水葉だけのコウホネ群落がたなびいているのが見える。そっと岸に近づき水路を凝視していると、すぐにターゲットが姿を現わした。驚かせないようにそっとアプローチ。チャートカラーに対し、すぐに反応があり近寄ってくる。つつくような動きは見られるが、フック位置までは口に入れてくれない。これは少し手強いかも…。
  そうこうするうちに、ついに1匹が吸い込んだ。すかさずアワセると、細身の魚体が上がってきた。まずは1本目である。しかし、これはチト細すぎる。俺たちが狙っているのは、もっと体高のある魚体なのだ。しばらく後、横で釣ってた現地の知人が、待望の1匹目をあげる。小柄ながら体高もあり、よく締まった魚体であった。背ビレには独特の斑紋があり、側面には細い青の縦条が1本走っている。
  え?何の話だって?ライギョじゃないのかって?「佐賀のクリーク=ライギョ」という認識は、俺に関してはきわめて甘い!大違い!!。タナゴにきまってるでしょ。では、わざわざタナゴ釣りに行ったのかって?まあ、そういうワケではなく、墓参りがメインで、ついでにワールド博多駅前店さんでの用事もあり、タナゴの道具ならバッグの隅におさまるし、まあ、そんなこんなで…。で、解説すると「チャートカラー」というのは、水中ウキというか水中目印の色。「細身の魚体」とはモロコ(詳細な種類は不明。イトモロコかな?)のこと。「小柄ながら~縦条が1本」というのは、九州北部にしかいないカゼトゲタナゴの特徴なのだ。
  その後少しして、俺にも待望のカゼトゲが釣れた。派手さはないが、清楚で美しい魚だと思う。春から初夏の繁殖期には、口唇部が「口紅」を塗ったように朱赤色になるので、なおいっそうかわいらしい。それなのに学名に「rhodeus(バラタナゴ系はコレ)」がつくので、現地の知人らに「薔薇族」と呼ばれているのは可哀想だ。異性を惹きつけるための婚姻色なので、ソノ気がなくストレートなのに。彼らはニッポンバラもタイリクバラもひっくるめて「薔薇族」と総称している。もちろん、各種の見分けは正確にできる人たちなのだが、何かと茶化すのが好きらしい。こちらでも流行らせてやる。しばらくして、もうひとりのタナゴ師も到着。彼らはふたりとも当然のことながらタナゴ・オンリーというわけではなく、ライギョもバスもナマズも海のターゲットもいろいろやる人たちである。そして、現地の人たちの中でも、クリークの隅々まで滅法詳しい。タナゴ師だから当然か。このエリアでは小型のカネヒラも釣れたが、他にも釣りたい魚がいるので、別のポイントに移動。
  次のポイントは泥底の止水。岸には二枚貝の貝殻も落ちていた。ここでもカゼトゲとカネヒラが釣れた。昼食 後はタナゴではなくカワバタモロコの姿を拝みに行く。風が強く釣りにくい状態だったし、フナとモツゴに悩まされたが、同行者ふたりは1匹ずつ釣り上げた。残念ながら俺には釣れず。モツゴとフナはかなり釣ったけど。
  そして、カダヤシを空針でからかって釣った後、最後は彼らが言う「奇跡の溜まり」へ。ここはカネヒラとヤ リタナゴの集積エリアで、さらにアブラボテも棲息しているとのこと。中沖の沈水植物の陰には、遠目で見てもはっきりわかるほど、ヤリが群れて光っていた。釣りを開始してすぐにヤリが入れ喰いになった。季節柄、色は落ち着いていて、せいぜい尻ビレのエッジにかすかに朱色が出ている程度である。いちいち数えるのも面倒なほどヤリを釣って遊んだ後、同行者が婚姻色鮮やかなカネヒラのオスを釣ったところで、釣りは終了。朝から夕方まで釣りをしたのは、8/11以来であり、年間を通じてもやっと6回目であった。実に楽しかった。

[釣った魚]

カゼトゲタナゴ、カネヒラ、ヤリタナゴ、モツゴ、モロコの仲間、カダヤシ

[目撃した魚]

カワバタモロコ、コイ、ケタバス、オイカワ、バス、ガイライギョetc.

[釣り道具]

竿:精魂小鮒丹四尺 仕掛け:脈のみ(同行者たちは浮子仕様) 針:ハリマ、新半月 エサ:黄身練り

[無念]

1.カワバタモロコをカケ損ねたこと。普段は群れがいて普通に釣れるらしいが、今回は単発のみ。

[感謝]

現地の皆さん、いろいろありがとうございました。いつの先になるかわかりませんが、いい季節にこそっと訪れたいと思っています。口紅カゼトゲをナマで見たいです。

ウィプラッシュ スタイルウィプラッシュ スタイル
ウィプラッシュ スタイルウィプラッシュ スタイル
・カゼトゲタナゴ

清楚なバラ系タナゴ。
繁殖期には口紅をつけるので、すごく愛らしい顔になる。

・カワバタモロコ

体高がヤリタナゴ並みにある。全国的に見ても多い魚ではないはず。場所によっては絶滅すら危惧されている。

・カダヤシ=蚊絶やし

(タップミノー)
けっこうオバカで、空針でも3匹釣れた。

・カネヒラ(オス)

何もいうことはない。
ただただ鮮やかなカネヒラの婚姻色。もっと派手になるはず。